The Last Poets

最近、黒人音楽を意識的に聞いている。

ぼくの黒人音楽との出合いは、高校生の頃。といっても、プリンス。黒人音楽評論家の大御所ネルソン・ジョージの『リズム・アンド・ブルースの死』にならえば、マイケル・ジャクソンと共に黒人音楽の〈死〉を体現するようなミュージシャンへの傾倒からぼくの黒人音楽との付き合いは始まった。

プリンスから派生して高校から大学にかけて親しく聴いてきたのは、スライ&ザ・ファミリーストーン、ジョージ・クリントンのP‐FUNK。ソウルがファンクに傾いてゆく70年代中盤以降のものを好んだ。

そうした付き合いを経て、現在、気になっているグループの一つにラスト・ポエッツがいる。マルコムXの死後に結成された、ポエトリー・リーディングの集団で、三人の詩人とパーカッションからなる。彼らの初期のアルバムはとにかくすごい。ファースト、セカンドは黒人解放運動を背景に声と音が聴き手に切迫してくる。サードは、今で言うところのラップ。72年に発売されたものだが、いま新譜として売られていても遜色がないんではないかというほど、音が新しい。

確認しているかぎりの最新アルバムはすでに10年前になる、Time has came。これには「パンサー」という、ブラック・パンサー党へのオマージュの曲が入っている。アルバムとしてはやや地味だが、90年代というラップ全盛の音楽シーンにおいて、彼らの健在振りを示すものだった。

ラップのルーツは、レゲエのダブにあるといわれるし、ダブ・ポエトリーのリントン・クェシ・ジョンソンの影響はたしかに大きいと思うが、その一方で、黒人音楽のなかから出てきたポエトリー・リーディングも無視できない。ルーツ探しは無意味だが、黒人音楽の精神譜を辿ることには、それなりの意義があると思う。その意味で、ラスト・ポエッツは確実に外すことのできないミュージシャンの一人だ。

コメント

castorp さんの投稿…
いいのがあったら、
また解説つきで聞かせてください。
Merry Christmas !
omeros さんの投稿…
もちろんです! でもぼくの趣味は偏りがあるから、紹介するのはちょっと心配。castorpさんの好きな音楽を知りたいです(クラシック以外でね)。