沖縄/暴力論

西谷修・仲里効編『沖縄/暴力論』(未來社、2008年8月刊)
昨年度、東京外国語大学で行なわれた二日間にわたる同名のシンポジウムの記録を軸に、沖縄と暴力の関係をめぐる7本の論考を併せた本。シンポジウムの発言者や論考の書き手は以下のとおり。編者のほかに、目取間俊(小説家)、間宮則夫(『それは島』の映画監督)、中山智香子(経済思想史)、米谷匡史(日本思想)、土佐弘之(国際関係論)、真島一郎(西アフリカ民族誌学)の各氏。東京外国語大学の科学研究費プロジェクトの一環でのシンポジウムであることから、多くはその科研メンバーであり同大学の教員。大学でなされたシンポジウムを編集したこの手の本はたくさんあるし、沖縄をめぐる言説はとても多いが、沖縄戦を根とする「暴力」の問題に真摯に向き合おうとする点で、おそらく価値のあるものだ。じつは、この本の前に、シンポジウムを主催した外語大大学院国際協力講座から記録集が出ている。この記録集に収められている目取間氏の一文はたいへんインパクトのあるものだが、今回、それは採録されず、代わりに大江・岩波裁判をめぐる文章が新たに加えられている。個人的には、桐山襲『聖なる夜 聖なる穴』を論じた仲里氏の論考が面白い。

コメント

castorp さんの投稿…
とうとうでるんですね。しっかり読んで勉強させていただきます。
omeros さんの投稿…
ありがとうございます。8月6日に店頭に並ぶ予定です。現物をお渡しできれば良いのですが、まだ分かりません。せめてぼくの書いたものだけはコピーでお渡ししたいと思います。昨日は知念正真原作の『人類館』を西谷先生を初めとしたこのメンバーで観に行きました。考えさせられる戯曲でした(今回は一人朗読劇でしたが)。本は昨日見本が届いたので、写真をアップしてみます。