『エドゥアール・グリッサン訪問』(2)

クロード・クフォンによる『エドゥアール・グリッサン訪問』には、ふだんのインタビューではあまり見られない、グリッサンのリラックスした雰囲気が感じ取れる。出版・掲載されている他の講演やインタビューよりも、この60頁あまりの小著に収められた二つのインタビューの方が、グリッサンという人物によく迫っている。

たとえば、これも知らなかったことだが、グリッサンは、13歳の頃に、クロード・レヴィ=ストロース、アンドレ・ブルトン、アンドレ・マッソン、マックス・エルンストに出会っている。もっとも、ある夜の集いの場で彼らを見たり、少し話をしてみた、という程度であり、グリッサン本人もまだ13歳だったから、ということで詳細は話していない。それでも、ニューヨークへの亡命の途上で足止めをくらったフランスの知識人たちに出会っている、ということは、少なからず印象的な出来事である。

また、これは大変グリッサンらしいが、彼は既成の文学ジャンルに否定的だ。詩、小説、戯曲、評論などなど、といった区分に縛られない、まったく別の「ジャンル」を彼は考えているようだ。

「私はそれぞれの波ごとに書きてきたと思います。それぞれの波のうちには、小説、詩、それに私は評論をたくさん書いてきたので、評論などがそれぞれ一つか二つあります。たとえば、ある波のうちでは、『島々の野』(詩集)は『レザルド川』(小説)と対応し、また別の波のうちでは、『インド諸島』(詩集)と『第四世紀』(小説)」が対応し、『ボワーズ』(詩集)は『マルモール』(小説)に対応する、といった具合です。」

この「波ごとに書く」という言い方が、ぼくはとても好きだ。

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