北部の風景

昨日15日はマルティニックでは祝日だった。友人の車で午前から午後にかけてマルティニックの大西洋側の北部をめぐり、夕方、同じ大西洋側の南部に出かけた。車を運転しないため、何かと不便にして いるぼくにとっては島を知る良い機会となった。大西洋はカリブ海よりも波が荒いというのは本で読んだ ことがあったが、実際、大西洋の波を見てそのことを確認することができた。北部の大西洋側の風景は、同じ北部のカリブ海側の風景と比べて、光はより明るいという印象。山の方は一面バナナ畑(バナナには700種類ほどあるという話)である。グリッサンの故郷サント・マリーを過ぎ、マリゴという小さな集落でお昼を食べ、コンフィアンの生まれた集落ロランに入る手前に流れるロラン川で涼んだ。ロラン川を上流にのぼってゆく道は途中から舗装されておらず、昔の面影を残している。川の近くの森の中に砂糖精製工場の廃墟があった。60年代以降、マルティニックのサトウキビの砂糖は砂糖大根(ビーツ)との価格競争で敗れ、当時島にいくつもあった工場は軒並み閉鎖に追い込まれた。現在はトリニテのあたりにかろうじて一つある(さらに南部にも一つだけあるらしいが未確認)。島の風景はこの数十年の間でずいぶん変わったようだ。車窓からは北部から南部にかけての風景の変容が一望できる。しかし、風景は目の前をただ過ぎ去ってゆくだけだ。風景からかつてあった現在を想像するには車ではだめだ。歩き、立ち止まらなければだめだ。

コメント

Coyote さんのコメント…
それはその通りだけど、運転は覚えたほうがいいよ。先月亡くなった親友を、病床に最後に見舞ったとき、彼がいったのは「退院したら免許をとって軽自動車を買い、自分で山にも海にも行ってみたい」というひとことだった。帰り道、泣けて泣けて。可動性を(その功罪を含めて)考えないかぎり、現代に直面しているとはいえないんじゃないか?
omeros さんの投稿…
もちろん運転は覚えたいと思っていますよ。マルティニックにいて日々痛感しています。車がなければ自分一人で山にも海にも行けませんし。フォール=ド=フランスに個人経営の自動車学校がいくつかあるからこれを機会に通ってみようかな。
KS さんの投稿…
それはいい! 日本の自動車学校は高いし、時間がかかるし。外国で免許をとって、帰国するとき書き換えたほうがいいよ。フランスはどうか知らないけど、アメリカで簡単にとって、そのまま日本でも乗ってるともだちがいる。