サン=ピエール

二日目は北部の町サン=ピエールを訪れた。プレ山を登った一日目に通り過ぎた町であり、1902年の噴火で壊滅した町である。かつての面影は、復興後の町並みよりも、現在でも残されているいくつかの廃墟が物語っている。縦長の町の北にある元劇場の廃墟は、かつてのサン=ピエールの隆盛を想わせる。その隣の監獄にある独房でルイ・シパリ(Louis Cyparis)という囚人は1902年の噴火を唯一生き延び、その後アメリカのサーカス団の見世物小屋でその体の火傷を披露することになる。劇場の横には女性の石像が打ち捨てられたようにひっそり置かれている。サン=ピエール復興の象徴として噴火後に作られた像であったようだ。その後、ぼくたちは町を見下ろすフロマジェの巨木を見に行った。噴火を生き延びたこの巨木の太い枝にはさまざまな植物が寄生している。その生命のエネルギーに圧倒される思いがした。

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