アビタシオン・クレマン、トゥス・クレオール、ベルナベ先生

アビタシオン・クレマンは、「島一番の金持ち」といわれるベルナール・アイヨ氏が経営している。ラム酒の「クレマン」を自社ブランドにもっている。工場は一般に開放されている(入場料を取られるが)。ほかの工場を見学する機会をまだ持たないので、なんともいえないが、クレマン財団の美術館も併設しており、ずいぶんと手入れの行き届いたアビタシオンであるという印象をもっている。

クレマン財団はそれなりの資金があるらしく、島の芸術家たちをサポートする関係にあるようだ。美術館には、アンリ・ゲドン、ルイ・ラウシェ、エルネスト・ブルルール等、島の芸術家の作品が所蔵され、また、気鋭の芸術家の展示に力を入れているように見受けられる。展覧会のオープニング・パーティなどは、島の芸術家や音楽家などの交流の場のようにもなっているようだった。そうしたパーティーではラム酒がふんだんに振舞われる。普段の生活とはかけ離れた別世界だ。

ぼくたちは午後5時過ぎに会場に到着した。会場の設営を手伝ったりしながら待っていると、少しずつ人が来た。この講演はこのブログでも紹介したトゥス・クレオール(Tous créole:全員クレオール)という団体が主催するものだった。この団体の活動が島の複雑な政治状況のなかにあるのを知っていた分、興味があった。ロドルフから団体の主催者であるロジェ・ド・ジャアム氏を紹介してもらった。ベルナール・アイヨ氏同様、ベケであり経営者側の富裕層である(ジャアム氏の印象は、日本でいえば、中小企業の社長のイメージに近く、経営者の雰囲気を漂わせている)。その後、おそらくこの団体のメンバーと思われる人々(ベケの夫婦が何組か)が少しずつ集まってきた。

すると、驚いたことに、ジャン・ベルナベ先生(受入機関の所長)が会場に姿を現した(しかし後から思えば、なんだか所在なさげだった。とても遠いところにいた)。最近顔を合わせていなかったたので、話をしに行った。

ベルナベ先生は再会を喜んでくれた。ロドルフはちょうどテレビの取材を受けていたので、開始にはまだ時間があった。その間に先生にいくつか質問をした。要点を箇条書きで記そう。

・クレオール語教育について――外国人がクレオール語を学べる授業を来年度に作る。ダニエル・ブックマンが授業を担当する。
・最近の政治問題にかんして――パトリック・シャモワゾーは本来なら74条を支持する立場にいるはずだ。それが73条を支持している。私自身驚いている。また、この73条VS74条にかんしては、ラファエル・コンフィアンがドキュメンタリー製作に携わっている。もう完成しており、近いうちにDVDになる。
・大学のクレオール語部門の学生数にかんして――現在はあまり多くない。クレオール語専攻の学生が減っているのは、島の失業問題が背景にあり、勉強しても直接就職に結びつかないことがある。

ここまでは、ひとまずよかった。問題はその後だ。

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