歩く人

24日から25日にかけてピアニストのエリックのお姉さんの家でクリスマスを過ごした。マルティニックの伝統的なクリスマス料理(豚料理)や牡蠣を堪能したり、来年1月10日迫ったconsultation(73条VS74条)をめぐる政治的話題をはじめとしていろいろな話を聞くことができて楽しかった。24日のクリスマスパーティーにロベールというおじさんが来ていた。見るからにヒッピーという格好。白い肌が真っ赤に焼けている。誰彼かまわず地元の人が地元の人に話しかけるような口ぶりで話しかけてくる。島生まれの人だと思っていた。しかし、話を聞いてみると、母親はアルジェリアのカビリー地方出身で、ロベール自身はフランス生まれ。20年前にマルティニックに来たのだという。この人のすごいところは、いつでも裸足であること。靴をぜったい履かない。それだけでない。この20年車を持たず、ずっと歩いて生活しているのだ。ロベールが住んでいるのはマルティニックの南部である。北部を巡るときなどは、野宿をしてただただひたすら歩くそうだ。裸足といえば、マルティニックでは大衆的な人気がある伝説のフルート奏者ユジェーヌ・モナのシンボルでもある。モナもやっぱり裸足で歩いた。フォール=ド=フランスからモナの地元マリゴまで、モナがかつて歩いた道を辿る催しなんかもあったくらいだ。だからみんなが裸足のロベールを「白人モナ」と呼ぶのはよく分かる。ちなみに裸足で過ごすのはどれだけ大変なことなのかは、翌日、海岸からエリックの姉の家に戻るときに実践してみてよく分かった。灼熱の陽射しに焼かれたアスファルトの上で、ぼくの素足はすぐに悲鳴をあげてしまった。

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