旅立ち

早朝、楽隊の行進で目が覚めた。カーニヴァルの4日間、にぎやかな楽隊が陸の町テールヴィルを夜明けの頃に練り歩いた。激しいドラムの音だから、いやでも起こされる。今朝もそうだった。明け方6時前に、懐かしいけれど、もう少し眠りたいぼくたちにはあまりにうるさすぎるドラムの音が聞こえてきた。カーニヴァルの時期に帰ってきたようだった。

昨夜は友人ロドルフとヴァレリーを家に招き、楽しい夕べを過ごした。連れの誕生日だったからだ。彼女が中華系の料理を作り、二人にふるまった。おいしい、おいしい、と食べてくれた。ぼくは音楽係。マルティニックの伝統系の音楽をかけると、ロドルフはすぐに「これはOOだね」と反応し、そのミュージシャンについての思い出や知っていることをひとしきり話してくれた。盛り上がったのは、なんといってもウジェーヌ・モナだった。マルティニックでモナといえば、現在ではセゼールと同じくらい、庶民的な人気のあるミュージシャンだが、モナが活躍していた時代には、RFOは彼の音楽を一切かけず、黙殺された存在だったという。人気をえたのは最後のアルバム「ブラン・マンジェ」から。しかし、すぐに亡くなった。また、「フランス・アンティーユ」の最初のクレオール語の見出しは、「モナ、死ぬ」という訃報の記事だったという。ロドルフは、これまで聞いたことがなかったという、アンリ・ゲドンのラテン・ジャズに感心していた。

昨夜のように地元の友人をもてなしたのはこれで4回目。いずれも2月後半以降のことだ。これも、すべては友人たちがぼくたちを何度となく自宅、友人宅、親戚の家に招いてくれたおかげだった。それで、マルティニック流のもてなし方や料理の作法を学んだ。

ついに明日は旅立ちの日。日本に帰れば、また新たな旅が待っている。
旅は、終わらないだろう。

コメント

norah-m さんのコメント…
ついに出発ですね。帰国ぎりぎりの時期におつきあい、本当にありがとう。おかげで何とも濃密な日々を過ごすことができました。
マルチニックの人々の信じがたい寛容と歓待に触れられたのは、すばらしい経験でした。同時にこの人脈、この友情は、omerosさんの人間の魅力が引き出したのだとも思います。ともあれ、遠い人々との交流はかけがえのない何かをもたらしてくれることを改めて感じる滞在でした。
omerosさんの次なる旅も、実り多いものとなりますよう!
(マルチニックの行きと帰りにあった出来事から、今現在、私の中では世界最悪・極悪非道の街となっているパリではありますが、それは置いておいて)
naomikan さんの投稿…
初めての投稿となります。
ブログのソースが違うのでうまく送れるか
わかりません。
不手際はお許しください。

こちらへは、清岡先生のブログから参りました。
マルティニクの名前は、約20年前に
お酒に携わる仕事をしていたため
ラム酒からその名を知りました。
今もラム酒のファンですが、
生産地であるマルティニクの情報を知るすべは少ないです。
ワインについては詳しく紹介されていますが
フランスの海外県については知らない人が
多いと思います。
今回、記事にあった「アンリ・ゲドン」さんを検索していたら
自分のだいすきなアーティストと共演されている映像に当たりました。
嬉しくなり、コメントした次第です。
言語について、操る術を身につけたいと
常々思っています。
ですが、学ぶ機会が足りずに大人になったクチなのでとても憧れています。
これからも旅の続きを楽しみにしています。
omeros さんの投稿…
norah-mさん、マルティニックの人びとの寛容と歓待にかんして、まったく同じ思いです。8月にいらしたsnafさんから3月にいらしたnorah-mさんまで、友人が遊びに来てくれたのはとても嬉しいことでした。ありがとうございます。明日パリを発つ予定でいます。(帰りにも嫌なことがあったのですね……。後ほどお話お聞かせ下さい。)
omeros さんの投稿…
naomikanさん、はじめまして。清岡先生つながりでこうして交流できることを大変嬉しく思います。ぼくも清岡先生のブログは欠かさず見ています。ラム酒についても、ここでご紹介したいと思いつつも、今の今まで果たせずにいます。日本で入手できるかはわかりませんが、マルティニックの一番おいしいホワイトラムはNeissonという、カルベという北部の村の銘柄だと聞きました(地元の人からこの銘柄が何度も最高だと聞いているので、間違いないと思います)。アンリ・ゲドンは、マルティニックではむしろ美術家として知られていますが、70年代からラテン・ジャズの音楽家としても活躍してきたようです。Retrospectiveという、二枚組のベストアルバムが出ており、まだ入手できるかと思います。海外県は音楽の宝庫でもありますので、これからもご紹介できれば、と思っております。アンリ・ゲドンと共演しているnaomikanさんのお気に入りの音楽家、よろしければ教えて下さい。
naomikan さんの投稿…
こんにちは!
無事のご帰国、おかえりなさいませ。
お忙しい中、お返事いただきありがとうございました。
とても嬉しいです。
ご質問いただいた、私の好きな音楽家ですが、
Frankie Vasquez さんです。
拙ブログ内に、YouTubeも貼ってあります。
http://ameblo.jp/kannaozzi/day-20100315.html
よろしければ、ご覧ください♪