カンボジア館

パリでは住居を見つけるのが大変だと聞いていたので頭を痛めていたが、大学都市の日本館に現在住んでいる大学院時代の後輩に、ここへ申請してみたらどうかと薦めてもらった。ガイドブックには「ここに住める人はうらやましい」といった内容のことが書いてあったし、人気があってなかなか入れないとも聞いていたので、期待はせずに申請だけしてみたのだった。うまくいかなければ、予定通り、マルティニックの友人が郊外に借りている家に仮滞在して、賃貸物件を探すつもりでいた。

申請後、二週間ほどで連絡があった。カンボジア館からである。ちなみに大学都市には、アルゼンチン館、ブラジル館、モロッコ館といった建物自体も特色のある各国の「メゾン」が建てられている。基本的には、それぞれの館は自国の学生を受け入れており、たとえば日本館には日本からの留学生が多数を占めるようだ。また、大学都市は、研究者身分での受入も行っている。今回はその身分で申請した。

大学都市の論理でいけば、カンボジア館には当然カンボジアからの留学生が多いはずだが、実際はそうではなかった。そのことは、カンボジアの人々の生活のことにわずかでも思いを馳せれば、容易に想像がつく。

ともかく、この一年間お世話になることになるカンボジア館をはじめ、大学都市という場所は、何から何まで整えられているという印象だ。学生や研究をする身分がこれほどまでに特権的であるとは……と思わずにはいられない。まるで別世界にいるようだ。

このような環境では、勉強をしない言い訳を作るのが難しい。机に向かって日々読書をしようと思う。

コメント

ban さんの投稿…
いい所のようですね。いろいろと大変でしょうが、うらやましい気もします。

パリ便り、期待しています。
omeros さんのコメント…
ありがとうございます。マルティニックの時と同様に、パリでの生活や交流についてもご紹介してゆければ、と思っています。