パリの音楽祭

6月21日は音楽祭の日だった。フランス全土で例年行われ、パリ市内では各地区でプロ・アマ問わず路上や広場がさまざまな音楽で賑わうらしい。当初はパリに詳しい友人と一緒にいくつもりだったが、結局二人で行くことに。ぼくたちが選んだのはヴィレット公園だった。(正確にはその隣の小さな音楽イベントだった。だが行ってみたら誰もおらず、ヴィレット公園に行くことにしたのだった。)ここは去年パリに立ち寄った際に「クレヨル・ファクトリー」という展覧会がやっていた公園だ。パリの有名な公園は一般的に大きいが、この公園も端から端まで歩こうとすれば、15分くらいはかかりそうな巨大な面積である。近くで買い物をした後、19時過ぎから始まる音楽を聴くことにした。最近のパリは太陽が雲に隠れて、肌寒い日が続いたが、この日もやや寒く、野外で芝生に座っているには厚手の上着が必要だった。音楽はカリブ海出身の若いミュージシャンをリーダーにしたバンドだった。かっこいい感じのポップスで、連れ合いの方は気に入ったようだ。ぼくの方は、カリブ海系の人にカリブ系の音楽を期待してしまう、といういつもの悪い癖で、演奏を楽しみながらも、カリブ海らしい太鼓の音があればよいな、とないものねだりをしていた。だから、 このグループの演奏後、どこからともなく陽気で激しい太鼓の音と合唱が聞こえてきたときは、胸が高まった。その音の正体は、白い服のカーニヴァル集団だった。ああ、これだこれだ、という感じだ。それでぼくは大満足。ヴィレット公園を後にし、「イタリア広場」と呼ばれる地区のにぎやかな音楽を一通り聴いて、帰途に着いた。

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