Haiti parmi les vivants, Actes sud, 2010

2010年4月に『生者たちのハイチ』という小さな本が刊行されていた。たしかに書店で見かけた気もするが、最近ハイチ地震をめぐる出版物の情報を送ってくれたモントリオールの友人の親切がなければ、この一冊を手に取ることもなかったかもしれない。

この本は、フランスの雑誌「ル・ポワン」に掲載された、地震を経験した何人かの作家たちの小さなルポルタージュと、ハイチの作家たちの地震をめぐる創作によって構成されている。ルポルタージュ編は「地震後のクロニック」、創作編は「生者たちのハイチ」と題されている。

「地震後のクロニック」を中心に読んだ。この地震の直後に、「エトナン・ヴォワイヤジュール(驚嘆の旅人)」という文学の催しがポルトー・プランスで開催される予定だった。主催者は、作家のミシェル・ル・ブリ。(最近では「〈世界としての文学〉のために」(Pour une littérature-monde)という宣言文の呼びかけ人として知られる。)そのミシェル・ル・ブリと、この催しに参加するためにハイチに戻ってきていた作家のダニー・ラフリエール、そして、この本の事実上の企画者と考えられる、若い世代のハイチ作家リヨネル・トゥルイヨの手記が掲載されている。

リヨネル・トゥルイヨの約一週間分の日録とともに、ダニー・ラフリエールのこんな言葉が印象的だった。

人々が瓦礫の下で飲み食いせずに長らくこらえていることにみんな驚く。ほんの少しだけ食べるのが人々の習慣だからだ。すべてを捨ててどうして出発なんてできるのか。それは人々がほんのわずかしか所有をしていないからだ。無駄なものをあまりもたないだけ、人々は自由ということ、だが、貧困を礼賛したいのではない。この点で世界の人々が感動したのは、ハイチの貧しさでなく、この民の自分たちの貧しさへの立ち向かい方だ。

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