アフリカ映画週間


ここのところ、ケブランリー博物館(美術館?)に通っていた。アフリカ映画上映会に参加するためだ。フランスではいま「アフリカ独立50周年」を記念したイベントが行われたり、関連出版物もそれなりに出ている。この映画上映会もその一環である。上映プログラムを担当したティエリー・シンダ氏の講演会「植民地時代から今日までのアフリカ映画のパノラマ」にも出席した。
先週金曜日に映画を見たときにはたった3人しかお客さんがいなかった。上映映画は「セーヌ河のアフリカ」(1955年)という50年代のパリで暮らすアフリカ人を写した30分あまりのドキュメンタリー、それと「ファイネ」(1982年)というマリの学生運動を描いた映画である。全編バンバラ語による後者の映画は、マリの若者文化、父と娘の確執、独裁政権批判、伝統文化を代表する長老の神との交信など、話題が多岐にわたり、所々ついていけないものの、面白い映画だった。シンダ氏によれば、80年代はアフリカ映画の黄金期であり、この映画も代表作のひとつであるとのこと。
傑作は、翌日に見た「ソレイユ・オー」(1969年)という映画である。「セーヌ河のアフリカ」同様、パリで暮らすアフリカ人を撮ったものだが、こちらはフィクション。ヌーヴェル・ヴァーグの影響を感じさせる表現の前衛性と、入念に作りこまれた構成が魅力的。話の筋は、アフリカからやってきた主人公がパリで職を探し続けるというそれだけでの話だが、この主人公は当時のアフリカ人がパリで受けたであろう、ありとあらゆる屈辱を引き受ける。主人公が「アフリカ」そのものを体現しているといっていいだろう。機会があれば、ぜひとももう一度見たい映画だ。
その日に見たもう一つの映画「冒険者の帰還」(1966年)は何だか変な映画だった。フランス帰りのエリートの若者が、故郷の仲間たちにカウボーイの服と銃をわたし、全員でカウボーイごっこをするという、荒唐無稽な話だ。カウボーイたちは、馬は盗み、年長者を殴り、仲間を殺すなど、とにかく悪行をはたらく。困った村の長老は、カウボーイたちを仲間割れさせ、一見落着する。カウボーイがキリンを追っかけまわし、キリンが全速力で走るシーンがよかった。

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