ネグリチュードの詩人と絵画



はっきりいって好事家のための話だが、カリブ海文学やアフリカ文学でも豪華本というのは存在する。有名なのは、レオポルド・セダール・サンゴールの詩集で、彼の詩集には、限定部数の豪華本がいくつかある。ヨーロッパ愛好家でもあるサンゴール大統領であったから、マルク・シャガールと親交があったとしてもおかしくなく、シャガールが挿絵を描いたサンゴール詩集は、ぼくの知るかぎりだが、二冊出ている。一つは、1969年に出版されたElégies des Alizésであり、これにはシャガールのオリジナルリトグラフが一枚ついている。限定450部。10万円以上はすると思う。もう一つは、Lettres d'hivernage。1978年に限定2000部で出版された。こちらはシャガールのカラーの挿絵が8枚か9枚ほどついている。いずれも、フランスで有名な出版社の一つであるSeuil社から刊行されており、シャガールの挿絵はサンゴールの詩にインスピレーションを得たものである。しかし、サンゴール詩集では、Les Elégies majeuresというシャガールとのコラボレーション詩集よりも豪華な詩集が存在するようだ。これは、Hans Hartung, Zao Wou-ki, Manessier, Vieira deSilva, Pierre Soulages, Etienne Hadjuがそれぞれサンゴールの詩にインスピレーションを受けたリトグラフを寄せている。1978年にジュネーブのRegardという出版社から刊行された豪華詩集である。ほかにも、アンドレ・マッソンが挿絵を描いた第一詩集Chats d'ombreの豪華版もあったりする。いずれも美術品の部類だ。

エメ・セゼールの詩集では、ピカソが挿絵を書いた『失われた身体』が別格だ。オリジナル・エディションは50年に出版され、限定219部。ピカソの32枚のエッチングを含んでいる。100万円以上する詩集である。

1956年の第一回黒人芸術家作家会議のポスターで使用されたピカソの絵(掲載写真)は、このセゼールの詩集のために描かれたものだった。

コメント