エメ・セゼール、ラム、ピカソ


3月16日からパリのグランパレ国立ギャラリーでエメ・セゼールとウィフレド・ラム、ピカソをめぐる企画展が始まった。一足先に見たKさんの話では展覧会の規模は小さいが充実した企画だったということ。会期は6月6日までだが、見逃してはならない展示であるため、早速観に行った。

ギャラリー内は写真撮影が禁じられており、しかもこういう時にかぎって筆記用具を持ち合わせておらずもったいないことをした。小さい展示ながらも見どころはいくつもあった。

基本的にはピカソとセゼールの関係、ラムとセゼールの関係の二本立ての企画である。セゼールの詩集に「失われた身体」というのがあるが、セゼールの詩編にピカソが版画を寄せた特装版詩集である。少部数の発行でまず現物を見ることはないのだが、その版画と詩によって構成されたパートが一つの見どころである。

もう一つはAnnonciationというラムとの共同の詩画集である。こちらはどうやら実現されなかったようで今回、10篇ほどのラムの絵とセゼールの詩がはじめて配置されたということになるらしい。(ラムに捧げられた詩自体はセゼールの詩集moi, laminaire...におさめられている)。

個人的な好みだが、ラムの絵はやはり「ジャングル」を頂点にした1940年代のものがいいと思う。Annonciationの連作はピカソのゲルニカを彷彿とさせる作風だった。

もう一つ、これは研究者的関心であるが、セゼールの草稿を見ることができたのは収穫だった。フランス国立図書館に所蔵されているものもあるが、個人蔵の重要草稿もある。

セゼールには1940年代の未完の詩集があるそうだ。「太陽の墓標」(Tombeau du soleil)という詩集であり、1941年から44年までに書かれた詩編によって構成されるはずだったものであるという。「熱帯」誌に発表した詩編に新たなものを加えたというもの。ニューヨーク亡命中のアンドレ・ブルトンのもとにこの草稿は送られていた。この草稿は2006年(?)ブルトンの所有物が競売にかけられた際にはじめて明るみになったものであるらしく、タイプ原稿と草稿が残っている。現在の持主はマルティニックの収集家であるというが。このあたり、ざっと確認しただけの情報のため、不正確なところもあるかと思うが、初めて触れた話であったため、備忘録を兼ねて記した。

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