ルーブル美術館アフリカ・アジア・オセアニア部門


先日ルーブル美術館のアフリカ・アジア・オセアニア部門を見学した。ケブランリー博物館(美術館?)の展示を小規模にしたものだろうと考えていたのだが、実際、展示品は少ないが、とりわけ重要なオブジェを厳選して陳列しており、非常に見応えがあった。こうしたオブジェを見るたびに、思うことは「文明国」による「未開地域」の収奪であって、こうして整然と陳列されている神々を「美術品」として見ることには大きな矛盾を感じざるをえない。フランスには「未開美術」のコレクターが多くいるが、なかでもジャック・ケルシャシュは希代のコレクターとして有名だ。そのケルシャッシュが監修したこのアフリカ・アジア・オセアニア部門は2000年から新たにルーブル美術館に加わった。アラン・レネとクリス・マルケルによる傑作ドキュメンタリー「彫像もまた死んでいる」にも出てくるオブジェも幾つか収蔵されている。写真のようにモアイ像まである。もう一枚の写真はケブランリ—のアイコンとしても使われている、メキシコの彫像である。紀元前7世紀から2世紀の間に作成されたと推定されている。ところで、現在、やはりジャック・ケルシャシュが所蔵していたヴードゥー教関連のコレクションがカルティエ財団で公開されている。ケルシャシュはフランスではアフリカ美術など「未開美術」の価値を早くから見抜いてそれをコレクションした人物として大変高い評価を受けているようだが、そうした評価は正当なものなのだろうか。こうしたオブジェを見る場合、「彫像もまた死んでいる」の批判精神が必要だ。

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