ドゴン族

先日、友人たちとケ・ブランリ美術館のドゴン族展を見に行く。今回で二度目だが、会期終了(今月24日)が近いこともあって、見納めだと思い、見学した。最近始まったマヤ文明の展示が大変人気らしく、平日にもかかわらずチケット売り場には行列ができていた。前回はざっと流しただけだったが、今回はゆっくり見る。民族学者マルセル・グリオールの論文に出てくる彫像などもおいてあった。知らないことがたくさんあるため、解説とともに見ると大変勉強になる。けれども、アフリカ文学研究会の会報にも書いたけれど、やはり素直に楽しむことはできず、両義的な思いに捕らわれてしまうのだった。

東京に戻った際に、気鋭の人類学者の友人からマルセル・モース研究会編『マルセル・モースの世界』(平凡社新書)をいただいた。新書といえど、大変中身が濃い。断続的に読み継いできたが、つい先ほど読み終えた。モースのことはもちろんだが、各論者の記述から、彼の生きた時代の知的環境が見えてきて、刺激的だった。モースの弟子として、岡本太郎、ジョルジュ・バタイユ、ミシェル・レリスといった錚々たる顔ぶれが登場する。本書では触れられていないが、モースが講義をしていた民族学研究所は、アフリカ・カリブ海出身の黒人知識人にも大きな影響を与えていた。たとえば、ネグリチュード詩人レオン・ゴントラン・ダマスもそのひとり。ギュイヤンヌの逃亡奴隷社会を調査した『ギュイヤンヌ帰郷』という本まである。そうしたことがいろいろ繋がってくる。

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