2012年度上半期の3点

外語大大学院時代の先輩・同輩たちの研究会に久しぶりに参加。そこで、今年の上半期の読書、展覧会、映画等でベスト3を挙げなさいということになった。不勉強なぼくがこの間に接したものは少ないが、ひとまず思い浮かぶのはこんな作品だ。(ちなみにこのブログで取りあげたもの、研究分野に直接関わるものは入れないことにした)。

(1)『アフリカ現代史』(山川出版社、全5巻)
アフリカの現代政治史を中心とした歴史書としては、日本語で読めるものはこのシリーズ以外ないのではないだろうか。1970年代に書かれているため、内容・方法共に若干古く感じられるところもあるが、重要なテーマであるのに類書がない点で、今でも基本文献であると思う。
(2)佐々木滋子『祝祭としての文学』(水声社、2012年)
マラルメ論。佐々木先生の本は恥ずかしながらこの本が最初だが、19世紀フランス文学の研究の豊かさを再認識させられた。すごい。
(3)ジャック・ドンズロ『都市が壊れるとき』(人文書院、2012年)
いわゆる「都市問題」を考える上で重要な書。パリ留学の際に友人を経由してアンリ・ルフェーヴルの都市論に関心を寄せたりもしたので、この本はタイムリーだった。推敲に推敲を重ねたであろう秀逸な訳文にも感心。

次点
(4)浅川マキの再発CD
浅川マキの1周忌を記念して全アルバムが再発された。本人自選の『ダークネス』シリーズ以外では過去の音源に触れられなかった者として、今回の再発はとてもありがたい。これを機会にいくつか入手したが、どれもいい。
(5)ジョン・ホロウェイ『革命』(河出書房新社、2011年)
読むと元気が出る。「資本主義に亀裂をいれる」という副題にあるとおり、現代世界を席巻する資本主義を斜めから見つつ、新しい社会を夢見ている。パトリック・シャモワゾーの思想に新和的だ。
(6)坂口恭平『独立国家の作り方』(講談社新書、2012年)
同世代(もっと若いけど)にこんなに柔軟な発想ができる人がいるということに驚いた(ただ若干気になる点もある)。並外れた才能と行動力を備えた、ホロウェイの「革命」を身をもって体現している人と言えそうだ。

コメント