明治大アフリカ文庫

お盆休みが明けて明治大学の図書館が開館したのは今月17日。いつもなら和泉校舎で済ませるところが、今回はお茶の水の中央図書館まで赴いた。理由は、シャモワゾーの小説『テキサコ』の原書文庫版を借りるためだ。いま、シャモワゾーについて書かれた概説書の翻訳に関わっており、訳書との照合のために文庫の『テキサコ』が必要になったのだった。

ところで中央図書館にはアフリカ文庫というのがある。セネガルを代表する政治家・詩人レオポール・セダール・サンゴールの来日を機に生まれた叢書だが、じつは『テキサコ』もこのアフリカ文庫に納められている。普段は誰も利用しないコレクションのためか、開架棚にはなく、図書館の奥深くにひっそりと所蔵されている。アフリカ文庫は、その名のとおり、アフリカ関係の蔵書が充実している。閉架の棚を一通り見ようとしたけれど、膨大な量なので諦めることに。ただ、印象としては、英語系の書籍が圧倒的に多かった。

サンゴールはなんといっても詩人であるから、文学系の充実を期待したが、少なくともフランス語圏に関していえば、やや物足りない。いや、けっこう物足りない。おそらくこの文庫を拡充するために必要な、フランス語圏アフリカ文学の専門知識をもった人が収集に当たってこなかったのがどうしても分かってしまう。なかには、ああこの本もあるのかという小さな驚きもあったが、「お宝」という印象を持てなかったのは残念。

そうはいっても、カリブ海フランス語文学も近年の出版を若干カバーしていたりして嬉しい。アフリカに特化したこうした文庫は、民博やAA研図書館などしか期待できないから、貴重であることはたしかだ。

ちなみに、パリにいたときにとにかくカリブ海文学系の本は収集した。最近更新を怠ってしまっているが、その一部を別のブログで写真とともに公開している(リンクにあるbibliotheque du monde africain et antillaisがそうです)。図書館は、絶版になってしまった書籍を収集するにはそれなりの情熱(資金と時間)が必要であるけれど、ある分野に専門化した書籍を収集してくれると、その分野に興味を持った誰かにとっては本当に貴重な記憶の空間となる。個人でそれをおこなうのは限界があるから、アフリカ文庫が今後もっと充実するといいなと思う。


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