マホガニー、マアゴニー

これからしなくてはならないことがいくつかあるけれど、最近ようやく取り組み始めたのがエドゥアール・グリッサン論だ。まだずいぶん先になるけれど、いずれ本としてまとめるつもりなので、どういう書き出しで、どんな風に書くのか、これにずいぶん頭を悩ませたまま、最近思いきって書きだしてみた。そして、思いきって、約束事や制約をなかば無視するように心がけている。よいものを、自分にとって納得のゆく、後悔しないものを書きたいと思ったら、自由奔放な方向へいってしまった。ともかく、書き進めるしかない。

そのようなわけで必要に迫られてグリッサンの作品を再び読み始めた。昔一度読んだきりの小説『マアゴニー』。すごい小説だとかつても感じていたけれど部分的に読み返すだけでも非常に刺激的だ。あまりに奥深く、考えたいこと、論じたいことがまたたく間に増えてゆく。グリッサンの小説は難しすぎてなかなか翻訳するのが大変だし、現に恒川訳『レザルド川』もずいぶん時間をかけて推敲して完成した翻訳であることを知っているし、そろそろ出ると期待されている『第四世紀』が10年越しの仕事になっているのも、この小説を訳すことの苦労をおおいに物語っている(『カリブ海言説』(仮)もだけれど)。でも、やはりこうしてグリッサンの小説世界に再び近づいてみると、これだけの作品が日本語で紹介されていないのはもったいないとも思ってしまう。ただ、ぼくの力量ではまだやはり敵わないかもしれず、そこが難しいところ。そもそもその前にこの困難な翻訳事情のなかでは出版自体が望めないか。うーん、悩んでしまいます。

コメント

散歩者 さんのコメント…
いやいや、がんばってください! 実りある仕事になるはず。
nakamura さんのコメント…
ど、どうでしょうか。ともかくグリッサンを再読したり新たな作品に挑むチャンスとしてなるべく楽しみたいです。それにしても難しいですね!