原稿を準備しながら……

原稿を執筆する機会をありがたいことにいくつか得て、これを機会にいろいろ勉強している。依頼をいただくとき、その内容は主に2つに分けられる。1つは専門分野についてのもの。ぼくの場合は、グリッサン、セゼール、ファノンなどのカリブ海作家たちに関するものだ。もう1つは、関連分野のお題をいただく場合である。後者の場合、問題意識をうまく見つけられないと、書き手にも読み手にもおよそ見当はずれのものになりかねない。しかし、準備の過程で、問うべきことが形を帯び始めると、手応えのあるものが書ける気がする。

いま、手元には、まったくかけ離れた2つのお題がある。1つはプルースト。もう1つは人種である。それぞれ別の原稿だ。この2つに共通するのは「ユダヤ人問題」ということになる。実際、『思想』の『失われた時を求めて』刊行100周年号を読むと、プルーストにおけるユダヤの問題に着目した論考が複数ある。他方、レイシズム・スタディーズを考えてゆくと、やはり「反セム主義」をめぐる言説に突き当たる。これにまた、そろそろ手元を離れる(というより離れなくてはならない)サルトル論で言及した『ユダヤ人問題の考察』がぼくのなかでは重なってくるので「ユダヤ人問題」が気にかかって仕方がない。

プルーストに関しては、なぜ引き受けてしまったのかと幾分後悔しつつも、カリブ海の作家たちとの接点(とくにグリッサンとの接点)をあれこれ探す日々だ。そんななか、まさにこの関心に合致するプルーストとグリッサンを比較する論文を見つけた。コピーを入手するのに一苦労、私語の絶えない賑やかな図書館で外国語を読むのに一苦労しつつも、少しだけ、比較の手がかりを得ることができた。たしかにグリッサンがプルーストを意識していたふしがあるとしても、なんというか、読んだ論文からは大きなヒントは得られなかった。やはり自分で考える必要がある。



コメント

山口 隆太郎 さんの投稿…
こんにちは突然すみません、青山学院大学経営学部のフランス語圏の社会と文化を履修している山口と申します。
1月22日実施予定のテストの件で少しお伺いしたい事がありましまして、先生の連絡先を探したところ先生のブログに行き着きました。こうした形でコンタクトをとって申し訳ありません。
もし宜しければ、連絡先をこちらに載せておくので連絡していただけませんでしょうか?宜しくお願いします!

purveyor.r@gmail.com