『妃』2014年6月号

「妃」と書いて「きさき」と読む。詩人田中庸介さんが発行している詩誌の最新号をいただいた。「妃」の副題は「一番高貴な詩の雑誌」。「一番高貴」でいようと志が素敵だ。大きめの判型で、120頁を超えるページ数。同人の寄せる詩で成り立っている。こういうとき、どうしても知り合いのものから読んでしまうのは悪い癖かもしれない。まずはやはり田中庸介さん、管啓次郎さんの詩が気になり、目をとおす。ともに長編詩。田中さんの「塩漬けにされた鯖と彼女」にはその不思議なシチュエーションが呪術的な言葉の律動をともなってプリミティヴなものに向かってゆく印象。管さんの「移住論」は一度完結を見た詩集シリーズの続編のように見える。以前の詩は16行にこだわったが、なんとこんどは160行で一篇だ。こちらからもやはり魔術的な印象を受けるのは、最近読んでいる本の傾向からか。夢のような設定。移住をめぐる話。連想でいろいろなものが呼び込まれるけれど、それらは詩のなかで絡み合っている。時間が巻き戻される最後の場面が印象的だ。ゆっくりいろいろ読んでみたい。この感想も断片的で中途半端だ。だからとりあえずの備忘録として。

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