管啓次郎『ハワイ、蘭嶼 旅の手帖』(左右社、2014)


管啓次郎さんの新著『ハワイ、蘭嶼』が刊行された。味わい深い島旅の手帖。文章を読んで旅することもできるし、この手帖に触発されて旅することもできる。「よい旅を、よい島旅を」という帯(表紙の一部)の一文がしっくりくる読み物だ。ハワイ篇を読みながら、とくに最初の文章「バニヤンの並木道を」が、いずれ掲載されるグリッサン論最終回で触れる小説『全-世界』のあるパッセージと共振して、不思議に思った。「雨のバニヤンは町の上に台座を築く」というのは、グリッサンがこの小説で引用するサン=ジョン・ペルスの詩句。このイメージが管さんの文章と呼応している、というか、もしかしたらこの詩句が見えないところに据えられているのではと思ったくらいだ。二つの島で撮影された写真が大変素敵で、バニヤンの写真ももちろん収められている。機会があればもう少しちゃんとした感想文を書きたいところだが、まずは冒頭のスケッチまで。


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