澤田直編『サルトル読本』(法政大学出版局、2015)刊行のお知らせ


澤田直『サルトル読本』(法政大学出版局)が刊行されました。日本サルトル学会のメンバーが中心になって編まれた論集で、現在のサルトル研究はもちろんのこと、サルトルの多面性を知る上で、格好の手引きだと言えそうです。目次は出版社のサイトで確認することができます(こちら)。

著者は、最年長の鈴木道彦さんから、今後のサルトル研究を担う若手の方(竹本さん、根木さん、森さん)まで。ジャン=リュック・ナンシー氏やフランソワ・ヌーデルマン氏も寄稿しており「豪華な」執筆陣です。

この本の魅力は、サルトルの多面性にふさわしく、さまざまな執筆者が多様な視点と切り口からサルトルを論じているところでしょう。それぞれの論考の読みやすさも特徴だと思います。

私は、普段の関心から、どうしても「知識人」としてのサルトルに関心が向かってしまうのですが、そのような読者に訴えかける論考もありますし、また、(私が)普段は親しんでいない哲学的著作や小説・戯曲にも、関心を抱かせてくれる論考もたくさんあります。編者の澤田さん、著者の合田さん、松葉さんによる「共同討議」はその意味でサルトル読解の現在を知る上で格好の見取図だと思えます。

内容とは関係ありませんが、サルトル全集を刊行し、現在でも『家の馬鹿息子』などサルトルの訳書を出している人文書院の協力で収録されている、来日時のサルトルの写真もまた貴重で、この本を魅力的にしています。

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