吉澤英樹編『ブラック・モダニズム』(未知谷、2015)


先日のプレザンス・アフリケーヌ研究会では、報告者を務めてくださった小川了先生を介して、ドリュ・ラロシェルを中心とした両大戦期間のフランス語圏文学を研究する吉澤英樹さん、「アール・ネーグル」の研究者である柳沢史明さんにお会いすることができました。吉澤さんが両大戦期間のセネガル文学をめぐる共同研究をおこなっていることは知りながらも、なかなか接点をもてずにいたところ、ようやく念願が叶ったわけです。

さて、そのような折り、吉澤さんたちの共同研究の成果が単行本として出版されました。(私にとっては非常にありがたいタイミングです)。「ブラック・モダニズム」という大変重要な切り口からの共同研究で、まだ読み始めたばかりですが、論文の内容も緊密に連関しているような印象をもちます。以下、目次をHontoのページから転載します。

レーモン・ルーセル『アフリカの印象』は脱植民地文学なのか、モダン・デザイン文学なのか北山研二 著28−64
アンチモダンとしてのプシカリとヴォレノーヴェン小川了 著65−97
第一次世界大戦に参加したセネガル狙撃兵の文学作品におけるイメージと位置ラファエル・ランバル 著100−124
歴史と向き合う二人のセネガル狙撃兵吉澤英樹 著125−154
イーヴリン・ウォーの『黒いいたずら』におけるモダニズム山口哲央 著156−186
一九三六年のシュルレアリスムとMoMA木水千里 著187−220
「リズム」を通して見る黒人表象柳沢史明 著222−250
グリオとシンコペーション立花史 著251−285
「扇情主義の罠」に抗して三宅美千代 著286−310

専門的な内容であるにもかかわらず、定価が抑え目であることも特筆に値するでしょう(3200円が本体価格です)。このような研究成果が今後も書籍化されて手にとることができるようになるのが楽しみです。


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