ガブリエル・ドゥビヤンの歴史書など



最近、これまで入手できなかった古書をいくつか注文した。レオ・フロベニウスの『アフリカ文明史』のフランス語訳(1952年再刊版)、ユジェーヌ・ルヴェールの『マルティニック』(1949年)、そしてガブリエル・ドゥビヤンの『フランス領アンティル諸島の奴隷』(1975年)である。

ドイツの人類学者フロベニウスの著作は、サンゴール、セゼールといったネグリチュードの詩人たちが読んでいたことで、気になっていたものだ。ルヴェールは人文地理学者で、セゼールがシェルシェール高等中学校の生徒だった頃の先生でもある。この本は、ギィ・ラセールの『グアドループ』と並んで基本書だ、と認識を新たにしたことから、急遽、注文することにした。最後のガブリエル・ドゥビヤンはフランス領カリブ海の植民地史の大家と見なされる歴史家で、その主著である『フランス領アンティル諸島の奴隷』は、数年来、ずっと気になっていた。

さて、フロベニウス、ルベールの本に続き、ドゥビヤンの本が今日フランスから届いた。古書の標記では、「著者による献辞」とあり、状態は、表紙は難ありだが、中身は良好。価格は40ユーロだった。それで、さっそく献辞の箇所を見てみると、注意深い字体で、小さく「P・ビュテル氏に」とある。

ポール・ビュテルは、1931年生まれのフランス植民地史で高名な歴史家であり、1906年生まれのドゥビヤンの仕事を引き継ぐ世代にあたる。私の本棚にも彼の単著・共著が何冊かある。驚いて早速インターネットで調べたところ、案の定、今年逝去されていた。ビュテル氏の蔵書が手放されたわけである。

これは本当は私などがもっていたらもったいない代物である。なぜなら、ビュテル氏が読んだ形跡が残っているのだから。メモに相当する書き込みは一見したところないが、重要だと思った箇所に、下線がついていたり、?マークもあったりする。

いまは眺めることしかできないが、これは、自分への贈物だと思って、大切に読もうと思う。

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