謹賀新年


新年明けましておめでとうございます。

2016年が訪れました。この一年、みなさまのご健康とご多幸をお祈りいたします。

さて、この機会に、2015年に私が研究や執筆方面でした仕事を振り返っておきたいと思います。

まず、J.M.G.ル・クレジオの『氷山へ』を水声社より刊行しました。この刊行を記念して下北沢のB&Bで、同書に解説を寄せてくださった今福龍太さんとトークイベントを開催しました。ところで、2015年は今福さんのお仕事に導かれる機会がとりわけ多かったように思います。今福さんの『ジェロニモたちの方舟』(岩波書店)の刊行の折りに、「週刊読書人」で誌面対談をおこなったり、この本のイベントでは馬喰町のアート&イートでの
イベントにもストーリーテラーの一人として参加しました。

書評もいくつか手がけました。2015年は、カリブ海文学関連では、なんといってもパトリック・シャモワゾーの『素晴らしきソリボ』(河出書房新社)の刊行が、画期的でした。
その関係で、「ふらんす」4月号に同書の書評を書く機会をいただきました。短いものですが、じつは昨年書いたもののなかではお気に入りの一作です。「私がある友人から最近聞いた話」というタイトルです。同じく小品ということでは、河内卓さんの主宰する同人誌『北と南』の「川」特集に「川、もう1つの世界へ」というエッセイを寄せました。こうしたエッセイを書いているときに、幸せを感じるようになりました。

本格的な書評も書きました。丸川哲史『阿Qの連帯は可能か』(作品社)への書評です。『情況』6月号に掲載されました。この機会に丸川さんの著作を通じて勉強することができました。気づけば、ジャジャンクーの作品や、『鉄西区』を見たりしていたのですが、これは明らかに丸川さんからの影響です。

2015年に活字化されたものに、立命館大学紀要に掲載された「西川長夫の著作における〈新〉植民地主義のテーマについて」があります。2014年10月に開催された連続講座「西川長夫
:業績とその批判的検討」に基づいた原稿が収められています。私が書いたものはページ数にするとわずか6頁なのですが、単刀直入に書いたつもりです。刊行時に当ブログで報告するのを忘れしまいましたので、この機会に記します。

なお、立命館大学での催しでは、いつも西成彦さんにお世話になっています。2016年の最初の研究会は、西さん主宰の「環カリブ文化研究会」となります。1月10日(日)に立命館大学衣笠キャンパスでおこなわれる予定です。

2015年に活字化したもののなかで、私にとって大事だったのは、やはり『思想』連載のエドゥアール・グリッサン論の完結でしょうか。2013年からはじまった全5回の不定期の連載でしたが、なんとか最後まで辿りつくことができました。

以上、活字になったものを中心に去年を振り返りながら、改めて、今年は、もっとよい仕事をしたいと思っています。グリッサン論は、2016年2月に岩波書店から、『エドゥアール・グリッサン 〈全-世界〉のヴィジョン』という書名で刊行される予定です(現在、最後の詰めの作業を行っています)。この著作から、次の仕事を展望したいと思います。


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