カール・ヴァン・ヴェクテン『ニガー・ヘヴン』(未知谷、2016)



久しぶりの新刊紹介です。

未知谷よりカール・ヴァン・ヴェクテン『ニガー・ヘヴン』(三宅美千代訳・解説)が刊行されました。1926年に出版されたハーレム・ルネッサンス期の古典とされる小説です。作家については、訳者による解説が参考になります。

作者のカール・ヴァン・ヴェクテンは白人作家で、『ニューヨーク・タイムズ』紙の元音楽評論家。ガートルード・スタイン、ジョージ・ガーシュイン、F・スコット・フィッツジェラルドとも親しく、20世紀初めの合衆国の芸術・文化界において絶大なる影響力を持っていた。[中略]ヴァン・ヴェクテンと黒人文化のつきあいは、音楽・舞踏評論を手がけていた頃、『ヴァニティ・フェア』誌などに黒人霊歌やブルースを紹介する記事を書いていた頃にさかのぼる。ハーレムを初めて訪れたのは1924年。その後、ジェイムズ・ウェルドン・ジョンソン、ラングストン・ヒューズ、ネラ・ラーセンなどのハーレムの文学者たちと交流を深めた。彼はすぐにハーレムの小説を書くことを決意し、7番街のキャバレー、スモールズ・パラダイスに足繁く通う日々が始まる。[以下略]
そのような次第で、じつはこの作品がハーレムを題材にした初の小説となり、のちのハーレムの作家たちにも影響を与えていくという点で、「すべてのハーレム文学はここから生まれた究極の古典!」(本書の裏表紙の言葉)だと言えるわけです。

未知谷では、モダニズム期の黒人文学・芸術に関する良書を出版しており、たとえば私の手元には、カール・アインシュタイン『黒人彫刻』、吉澤英樹編『ブラック・モダニズム』があります。

このような形でこの分野の出版が続くことを、関連する領域を勉強している者として強く期待しています。

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