『図書新聞』3298号(2017年4月8日)


今週発売の『図書新聞』1面に崎山多美さんとの対談が掲載されました。沖縄から発信される雑誌『越境広場』と崎山さんの近作『うんじゅが、ナサキ』をめぐるもの。見出しの「敵は時間だ」という表現は、『うんじゅが、ナサキ』をめぐる発言で出てくるものです。以下、リード文を引用します。

沖縄で刊行中の総合誌『越境広場』。作家の崎山多美さんが書いた「創刊の辞」には、「思索の源泉を沖縄の歴史体験から汲み取ることを前提にし、沖縄を活動の起点」としながら「沖縄を越え世界とつながる思想を獲得するため、近隣の、台湾、韓国、中国、そして「日本」など、東アジアとの交流を広げ、つながることの重要性」が表明されている。同誌は、沖縄の言論が硬直し、一部で排外主義的傾向が見られることを強く危惧する。そうした硬直化を引き起こす主要な要因は日本の政治にある以上、この国の住民は当然無関心ではいられない。〈越境〉への誘いは、カリブ海研究の立場から沖縄について考える私にも向けられているのではないか。そうした想いが届いて崎山さんとの対談が実現した。崎山さんはE・グリッサンの『痕跡』を、私は崎山さんの『うんじゅが、ナサキ』を話題にした。言葉と思考の全般的貧困化に歯止めがきかない今こそ〈文学〉の力が問われている。(中村隆之)

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