『カリブ海世界を知るための70章』(国本伊代編、明石書店、2017)


国本伊代編『カリブ海世界を知るための70章』(明石書店、2017)が発売されました。明石書店のエリアスタディーズとしては第157弾となるのですが、カリブ海世界全般に関するものとしては本書が初めてとなります。私はカリブ海のフランス語圏地域(ハイチ、マルティニーク、グアドループ)に関する章を中心に5章分を担当しました。今回は文学関連の章も充実しています。私も実際に行ったことのない島がほとんどですので、勉強になります。以下、目次を明石書店のサイトから転載いたします。

***

はじめに


Ⅰ カリブ海世界への招待

第1章 21世紀のカリブ海世界――「環カリブ海地域」とカリブ海域諸国
第2章 カリブ海世界の自然と環境――熱帯の多様な自然と人びとの暮らし
第3章 現代カリブ海世界を創った欧米列強の遺産――抗争と植民地争奪戦の跡
第4章 カリブ海世界の多人種・多民族社会――その形成の歴史と21世紀の姿
第5章 21世紀のカリブ海世界の経済社会――開発途上国からの脱却と経済の多角化への努力
第6章 グローバル化するカリブ海世界――大きな経済格差と人口減少に直面する小国家群
【コラム1】グレナダのナツメグの話


Ⅱ ヨーロッパによる破壊と「植民地」という秩序の形成

第7章 「コロンブスの交換」――コロンブスによる新世界の「発見」とカリブ海世界
第8章 カリブ海域の先住民は絶滅したのか?――病死・虐待・逃亡・絶滅・復活
第9章 カリブ海域の砂糖プランテーションと奴隷制――アフロカリブ海世界の形成
第10章 カリブ海域の開発とユダヤ人――海賊から交易まで
第11章 ヨーロッパからの労働移民――プアー・ホワイトの導入
第12章 ヨーロッパが運んだアジア人――環カリブ海地域の中国人
【コラム2】カリブ海と「コロンブスの日」


Ⅲ 欧米植民地統治からの独立とその後

第13章 アフリカ人奴隷の導入――新大陸で最大の奴隷輸入地域となったカリブ海世界
第14章 カリブ海地域における奴隷制度の廃止――奴隷貿易の廃止から奴隷解放への道
第15章 フランス植民地はどのような道を選択したか――独立の道と同化の道
第16章 スペイン植民地の独立――ドミニカ共和国・キューバ・プエルトリコ
第17章 英国植民地の独立――英領西インド諸島連邦から分離独立への道
第18章 オランダ植民地の独立――オランダ領に留まった島々と独立したスリナム
第19章 米国の未編入領域の経緯と現状――米国領バージン諸島とプエルトリコ
【コラム3】奴隷制廃止と英国議会――W・ウィルバーフォースが遺したもの


Ⅳ 多人種・多民族が共存するカリブ海世界の姿

第20章 アフロカリブ海世界――アイデンティティの変容とブラック・パワー運動
第21章 環カリブ海地域のアジア系社会――インド人・ジャワ人・ベトナム人など
第22章 インド系年期奉公人から多数派へ――トリニダード・トバゴとガイアナの政党政治を中心に
第23章 環カリブ海地域のイスラム系社会――その起源と現代に至る社会の形成
第24章 環カリブ海地域のユダヤ系社会――オランダ系ユダヤ人から東欧系ユダヤ人まで
第25章 カリブ海島嶼のマイノリティ――カリナゴ・ガリフナ・マルーン
第26章 環カリブ海地域のシリア・レバノン系社会――行商人から大富豪へ
第27章 環カリブ海地域のヨーロッパ系白人社会――絶対少数派としての存在とアイデンティティ
【コラム4】セイントマーティン――「言語境界線」が横断する島


Ⅴ 欧米におけるカリブ系社会と混交文化

第28章 古くて新しいクレオール――クレオールがカリブ海文化のキーワードになるまで
第29章 ニューヨーク市の英語圏カリブ系集団――誇り高きカリブ海の西インド諸島系
第30章 マイアミのハイチ・クレオール社会――言語文化継承の取り組み
第31章 英国のカリブ海移民たち――マイノリティの文化的影響
第32章 フランスのカリブ海移民社会――クレオール化を生きる人びと
第33章 オランダのカリブ海移民社会――多様性を認めるオランダ社会での定住と存在感
第34章  世界に広がるカリブ海の音楽――「ラム・アンド・コカコーラ」
【コラム5】キュラソーのクレオール言語パピアメントは書きことばとして定着するのか?


Ⅵ 融合と混交による独自のカリブ海文化の生成

第35章 トリニダード島の観客参加型カーニバル――カリブ海最大の熱狂
第36章 英語圏カリブ海音楽におけるアフリカ性――トリニダード島のカリプソとソカ
第37章 20世紀以降のジャマイカ音楽――ラスタファリからレゲエまで
第38章 カリブ海文学への招待――大陸と大陸、語圏と語圏を股にかける
第39章 英語圏文学への招待――起源と展開
第40章 スペイン語圏文学への招待――大アンティル諸島から大陸部まで
第41章 フランス語圏文学への招待――書き言葉と話し言葉のあいだで
第42章 カリビアンアート――世界の芸術文化が融合して誕生したカリブ海世界のアート
【コラム6】スリナムと小アンティル諸島のクレオール料理


Ⅶ 現代カリブ海世界の政治

第43章 政治体制の多様性と旧宗主国との関係――継承した体制と独自の体制の並存
第44章 社会主義国キューバ――半世紀にわたる自立への苦闘
第45章 カリブ海域の盟主をめざす大国の力学――ドミニカ共和国が取り組む地域外交
第46章 米国の対カリブ海域政策――軍事介入の歴史に決別できるか
第47章 現代中国とカリブ海世界――習近平のラテンアメリカ・カリブ外交
第48章 旧英領植民地諸国と英連邦の絆――英国伝統文化と慣習法
第49章 旧フランス植民地の多様性とフランス海外県――困難を伴う自立への道
【コラム7】女性の地位向上と政界進出――カリブ海世界の女性首脳たち


Ⅷ カリブ海世界の連携――経済社会開発を目指して

第50章 西インド諸島が輩出した二人の知識人――W・アーサー・ルイスとE・ウィリアムズの遺産
第51章 カリブ共同体(カリコム)――経済統合・機能的協力・対外政策上の協力
第52章 西インド諸島大学を中心とする人材育成のための地域協力――英国留学から地元の大学へ
第53章 カリブ海世界と米国およびラテンアメリカ諸国との連携――CBIとCELACを中心に
第54章 東カリブ諸国機構(OECS)――通貨を共有するミニステートの協力
第55章 南北問題とカリブ海世界――国連とロメ協定・コトヌー協定
第56章 カリブ海世界のジェンダー――男女平等と女性のエンパワーメント
【コラム8】旧宗主国への謝罪と賠償の請求――先住民虐殺と奴隷制の補償問題


Ⅸ グローバル化するカリブ海世界

第57章 カリブ海諸島のラム酒――旧宗主国の伝統を受け継ぐ地場製品
第58章 海島綿(シーアイランドコットン)――カリブが世界に誇る最高級コットン
第59章 カリブ海域のバナナ産業――グローバル化に翻弄される熱帯の特産物
第60章 カリブ海域の会員制ホールセールクラブ――存在感を保つプライススマート社
第61章 知られざる地下資源保有諸国――ボーキサイト・ニッケルから石油まで
第62章 カリブ海域の観光産業――地域を支える基幹産業の実情と課題
第63章 世界を動かすタックスヘイブン――その歴史と実態
【コラム9】クジラ漁の島、グレナディン諸島のベキア島


Ⅹ カリブ海世界と日本――相互交流の現状と未来

第64章 日本のカリブ海世界外交――利害を共有する諸国との外交重点地域
第65章 核兵器廃絶へ向けた日本との連携――共通目標への緊密な協力
第66章 日本とカリブ海域とのヒトとモノの交流――島嶼国同士の400年に及ぶ絆
第67章 カリブ海地域諸国への日本の開発援助――評価を受ける日本のODA
第68章 日本のカリブ海域水産業への支援――なぜカリブ海域なのか
第69章 カリブ海域の気候変動・防災・環境への支援――日本の経験を活かす
第70章 カリブ海諸国のエネルギー問題――構造的課題解決への日本の支援
【コラム10】カリブ海域諸国で愛される日本の中古車――日本の顔としての存在感


 『カリブ海世界を知るための70章』参考文献


コメント